About

奥川 将行(おくがわ まさゆき)

・大阪大学 大学院工学研究科 マテリアル生産科学専攻 助教

・大阪大学 大学院工学研究科附属異方性カスタム設計・AM研究開発センター (兼任)

・産総研・東北大 MathAM-OIL 協力研究員 (兼任)

〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-1 R2棟613室

TEL: 06-6879-7480

E-mail: okugawa(at)mat.eng.osaka-u.ac.jp

 アモルファス(ガラス)や液体の構造,凝固プロセスなど非平衡プロセスでの結晶化を中心として,実験とコンピュータシミュレーションを組み合わせたデジタルツイン手法を駆使して研究を行っています。現在は機械学習を活用した材料プロセスデザインや、3D積層造形プロセス開発にも取り組んでいます.



下記のプロジェクトに参画しています.

・2023年度-2025年度,基盤研究(B)(代表)

 「Al合金の単結晶・超微細粒材金属3Dプリントのための1億K/s高速溶融凝固の科学」

・2021年度-2025年度,学術変革研究(A) 研究総括班・計画研究(代表:大阪大学 小泉雄一郎 教授)

 「超温度場材料創成学:巨大ポテンシャル勾配による原子配列制御が拓くネオ3DPの運営 」

 「超温度場デジタルツイン科学:プロセスモニタリングとシミュレーションの融合」

・2023年度-2025年度,基盤研究(B)(代表:東北大学金属研究所 和田武 准教授)

 「固液相平衡の熱力学的制御による金属溶湯中の部分脱成分技術確立と新ポーラス合金創製」

・2024年度-2027年度,基盤研究(A)(代表:大阪大学 吉川健 教授)

 「高温溶液成長の3DxTイメージングとフェーズフィールドアナリシス」

・2022年度-2026年度,JST-Crest「ナノ力学」(代表:大阪大学 中野貴由 教授)

 「カスタム力学機能制御学の構築 ~階層化異方性骨組織に学ぶ~」

・2022年〜,AM研究会(委員長:大阪大学 中野貴由 教授)研究会HP

ご指導・ご支援のほど,どうぞよろしくお願い申し上げます.


News

2024.5.11

 大阪大学に移ってから研究を行なっている、フェーズフィールド法による研究成果がActa Materialiaに掲載されました。原子が規則的に並ぶことで特異な特性が発現しますが、その規則領域が成長する速度の推定手法を、実験とシミュレーションを組み合わせた方法から提案しています。

 

Yuheng Liu, Madoka Watanabe, Masayuki Okugawa*, Takashi Hagiwara, Tsubasa Sato, Yusuke Seguchi, Yoshitaka Adachi, Yoritoshi Minamino, Yuichiro Koizumi*,

"Resolving the Long-Standing Discrepancy in Fe3Al Ordering Mobilities: A Synergistic Experimental and Phase-Field Study,"

Acta Materialia, Vol. 273, No. 1 (2024), 119958. 

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1359645424003100

 

2024.4.3

3Dプリンタによって作製されるNi基超合金は、タービンブレードなどの応用のために研究が進められていますが、造形中/後でのクラックが課題としてあります。クラック回避の指針となる部材中における局所元素分布を推定する手法に関した論文がAdditive Manufacturing誌に掲載されました。

 同研究成果は日刊工業新聞(1面)にも掲載していただきました。

Masayuki Okugawa*, Kenji Saito, Haruki Yoshima, Katsuhiko Sawaizumi, Yuichiro Koizumi, Sukeharu Nomoto, Makoto Watanabe, Takayoshi Nakano,

Solute segregation in a rapidly solidified Hastelloy-X Ni-based superalloy during laser powder bed fusion investigated by phase-field and computational thermal-fluid dynamics simulations,   

Additive Manufacturing, Vol. 84 (2024), 104079.

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2214860424001258

 

2024.3.3

データ同化という機械学習の一つの手法をフェーズフィールド(PF)計算と組み合わせて、共晶凝固での物性値(界面エネルギーなど)を推定する方法を示した論文がComputational Materials Science journal誌に掲載されました。現在、本結果をもとにした、その場観察実験データを用いたデータ同化によるパラメータ推定にも現在取り組んでいます。

Y. Seguchi, M. Okugawa*, C. Zhu, A. Yamanaka, Y. Koziumi,

Data assimilation for phase-field simulations of the formation of eutectic alloy microstructures,

Comput. Mater. Sci. 237 (2024) 112910. https://doi.org/10.1016/j.commatsci.2024.112910.

2023.1.19

レーザ学会学術講演会第44回年次大会@東京に参加して,招待講演発表を行いました.

2023.11.19-23

 

韓国済州島にて開催されたPacific Rim International Conference on Advanced Materials and Processing(PRICM11)に参加しました.指導学生がbest poster awardを受賞しました.

 

2023.12.12

日本鉄鋼協会・日本金属学会関西支部鉄鋼プロセス研究会・材料化学研究会 令和5年度 第2回合同講演会・学生ポスター発表会@関西大学に参加しました.指導学生が2件の優秀発表賞を受賞しました.

2023.12.4-6

12月4日-6日に開催された第52回日本結晶成長国内会議@ウインクあいち(名古屋)に参加し、Al-Si合金のAMプロセスに関する招待講演発表を行いました.また,指導学生がデータ同化フェーズフィールド計算に関する発表を行い、奨励講演賞を受賞しました。

2023.1.1

 Materials Transactions誌に研究成果が掲載されました。大阪大学に移ってから始めた、AM PBFプロセスでの粉末の挙動を、個別要素法によって調べた研究成果です。この研究は、長年行っている分子動力学計算と近い手法で行いました。シミュレーションベースでの粉末層形成プロセスの最適化が期待されます。

"Raking process for Powder Bed Fusion of Ti-6Al-4V alloy Powder Analyzed by Discrete Element Method"

M. Okugawa, Y. Isono, Y. Koizumi, T. Nakano

Materials Transactions, Vol. 64, No. 1 (2023) pp. 37-43.(軽金属, 72, 6 (2022), 1–7. [View on-line]  

2022.9.10

 Materials誌に研究成果が掲載されました.Al-Si共晶合金の金属3Dプリントでの特異な,内因的不均一核生成を利用することで,結晶組織の超微細粒化が可能であることをフェーズフィールド結晶成長シミュレーションから提案した論文です.金属3Dプリントでの結晶組織設計の概念を拡張し,より高性能な金属3DP部材の造形が期待されます.

"Effect of Rapid Heating and Cooling Conditions on Microstructure Formation in Laser Powder-bed fusion of Al-Si Hypoeutectic Alloy: A Phase-Field Study"

M. Okugawa, Y. Furushiro, Y. Koizumi,

Materials, 15 (17), 6092. [View on-line]

 

2022.9.4

 Nature Communication誌に東北大学時代から行っていた共同研究成果が掲載されました.金属間化合物では金属溶湯デアロイング法によって微細なポーラス構造の形成が見出され,その実験での特異なリガメント成長メカニズムを,分子動力学シミュレーションによる原子拡散係数の計算によって支持した論文です.

Ultrafine Nanoporous Intermetallic Catalysts by High-Temperature Liquid Metal Dealloying for Electrochemical Hydrogen Production

R. Song, J. Han, M. Okugawa, R. Belosludov, T. Wada, J. Jiang, D. Wei, A. Kubo, Y. Tian, H. Kato, M. Chen,

 

Nature Communication, 13, (2022) 5157. [View on-line]

2022.7.11

 Journal of alloy and compoundsにAl-Si共晶合金の積層造形に関する論文が掲載され,日刊工業新聞にて報道されました.レーザ3D積層造形法によって作製したアルミニウム合金における特異な微細結晶組織が、従来の溶融・凝固プロセスと比べて1000倍以上の超温度場での超急速加熱により形成されていることを明らかとしました。本成果をもとにした合金設計により、高価で産出量の少ないレアメタルを不要とする新規高性能・廉価型アルミニウム合金の創製を可能となることが期待されます。

https://doi.org/10.1016/j.jallcom.2022.165812

 

2021.9.14. 

 日本金属学会より第31回奨励賞(学術部門)を「アモルファス IV 族半導体の構造不均⼀と結晶化に関する研究」に対して受賞しました.これを励みにより一層精進して行きたいと思います.

2021 年秋賞受賞者一覧

 

 

2021.1.29.

 分担執筆した「3Dプリンタ用新規材料開発(エヌティーエヌ)」が出版されました. 

3Dプリントの材料・プロセス設計のための 計算機シミュレーション

小泉雄一郎,奥川将行,In 萩原 恒夫 (ed.), 3Dプリンタ用新規材料開発 (エヌティーエヌ), chap. 2 (2020). ISBN/978-4-86043-710-7 

2020.11.

 Materials Transactionsに論文が掲載されました.参画している内閣府 戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「統合型材料開発システムによるマテリアル革命」の成果特集号です。 

 

2020.7.11.

 The Journal of 4D and Functional Fabricationに論文が掲載されました.記念すべき創刊号の1ページ目です。結晶中での原子配列を模擬した構造を3Dプリンタによって作製し,その特性を評価しました.超弾性や形状記憶特性の特徴と一致する変形挙動を観測し,金属材料などの結晶構造で見られる現象と類似した現象が生じていることを明らかとしました.

3Dプリントを活用した形状記憶・衝撃吸収メタマテリアル開発」 

 

2020.7.11.

 Journal of Applied PhysicsとJapanese Journal of Applied Physicsに論文が掲載されました.大学院から研究を行なっているアモルファスIV族半導体の結晶化に関する研究成果です.一つ目は,これまで見出してきたアモルファス構造によって低温で結晶化することがSiGe合金でも見られ,また最大で250K低温の450°Cで結晶化が起こることを見出しました.この知見を応用することで,フレキシブルディスプレイなどでの基板選択性拡大が期待されます.二つ目は,アモルファスGeの結晶化に与える水素の効果を調べた研究に関する論文です.

Dual crystallization modes of sputter-deposited amorphous SiGe films

Effects of hydrogen on structure and crystallization behavior of sputter-deposited amorphous germanium films

 

2020.6.1.

 研究成果計算工学講演会論文集に掲載されました.大阪大学に移ってから研究を行なっているフェーズフィールド法による研究成果です.

「Fe3Alにおける規則ドメイン成長のフェーズフィールド法を用いたD03型規則構造の規則化易動度の検証」

 

「多元系合金における界面偏析のフェーズフィールド解析」

2020.3.17-19

日本金属学会2020年春期講演大会にて発表を予定しておりましたが,中止となりました

 

2019.11.1

大阪大学大学院 工学研究科 マテリアル生産科学専攻 小泉研究室へ助教として着任しました.実験とシミュレーション,機械学習によって金属3D造形の研究に取り組みます. 

 

2019.10.16

日本材料学会 第5回材料WEEK(京都テルサ)にて口頭発表を行いました. 

ガラス部門委員会 優秀発表賞を受賞しました.

 

2019.7.3

国際学会Mechanisms and Non-Linear Problems of Nucleation and Growth of Crystals and Thin Films(MGCTF'19,ロシア科学アカデミー,St. Petersburg)にて口頭発表を行いました. 

 

2019.5.7

九州工業大学との共同研究の成果が論文になりました.

Direct observations of crystallization processes of amorphous GeSn during thermal annealing: A temperature window for suppressing Sn segregation

 

2019.3.13

Japanese Journal of Applied Physicsに研究成果が掲載されました.

アモルファスSi, Geでは,爆発結晶化(液相結晶化)と呼ばれる特異な結晶化が起こります.その特徴として,結晶成長速度が10 m/sと通常の結晶化と比べて6桁早い速度で結晶化が起こります.爆発結晶化の発現は長らく結晶化プロセスに由来すると考えられてきましたが,本論文では発現の有無がアモルファス状態の違いに依存することを実験によって示しました.

The relation between amorphous structure and explosive crystallization of sputter-deposited amorphous germanium thin films

2018.10.12

日本学術振興会 合金状態図第172委員会 第35回研究会にてポスター発表を行いました。ベストポスター賞を受賞しました。

 

2018.09.21

Journal of applied crystallographyに研究成果が掲載されました.

Structure of crystallized particles in sputter-deposited amorphous germanium films

 

2018.09.20

秋季応用物理学会にて発表を行いました.

 

2018.03.22

春季応用物理学会にて発表を行いました.

 

2018.02.11

日本顕微鏡学会誌に"最近の研究と技術"として解説が掲載されました.

気相法で作製したアモルファスゲルマニウム薄膜の構造変化と結晶化

 

2017.10.20

九州工業大学との共同研究の成果が論文になりました.

Crystallization processes of amorphous GeSn thin films by heat treatment and electron beam irradiation

 

2017.09.06

秋季金属学会にて発表を行いました.

 

2017.06.18

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